「チャンピオン」が「キング・オブ・スウェット」と称されるには理由があります。
あまりにも身近な存在となっており、当たり前のように受け入れられていますが、その長い歴史とクオリティーの高さ、耐久性と抜群の着心地は、その価値を知る多くの古着コレクターの存在からも分かります。
ここでは、「チャンピオン」のスウェットが世界中の大人達から愛される訳を、再確認していきたいと思います。
1.長い歴史
愛される理由として、一番にあげられるのが100年以上続く歴史の長さ。
長い歴史を誇る「チャンピオン」は、東ヨーロッパからアメリカに移住してきたユダヤ系移民によって創業されました。
日本では大正時代。殆どの人が着物や草履で生活をしていた時代に「チャンピオン」の歴史は始まりました。
そんな時代から、今尚、色褪せずに世界中の人々を魅了し続けているというところが「チャンピオン」の素晴らしさです。
アパレルに限らずどのメーカーも、後世に残る、長く愛されるものを作りたいという願いがあると思いますが、まさにその先駆けといえる存在なのです。
1919年 チャンピオンが誕生
1919年、ニューヨーク州の北西部にあるロチェスターという街で「チャンピオン」は誕生しました。
創業者サイモン・フェインブルーム氏は、主にセーターの販売を手掛けていましたが、創業して間もなく亡くなったため、息子兄弟によって引き継がれることになります。
社名を「ニッカーボッカー・ニッティング・カンパニー」から「チャンピオン・ニッティング・ミルズ」に変更。セーターに加えTシャツや屋外労働者のためのウール下着を開発するなどスウェットシャツの原型になるものが作られていきます。
2.クオリティーの高さ
「チャンピオン」の古着の中で最も人気があるスウェットシャツは、そのクオリティーの高さが魅力のひとつ。
現在も変わらず意欲的に機能性における開発を続ける「チャンピオン」のハイクオリティーさが伺える当時のエピソードがこちらです。
米軍の訓練用ウェアに
ウールの下着から改良を重ねて作られたアイテムは、米軍アカデミーの訓練用ウェアに採用されます。
米軍訓練の過酷な状況にも耐えられる保温性と耐久性を持ち合わせ、米軍の厳しい基準をクリアし、初めて採用されたトレーニングウェアが「チャンピオン」のスウェットというわけです。
大学のアスレチックウェアに
その抜群の機能性とクオリティーから、大学のアスリート達に向けたアスレチックウェアとしても使われるようになりました。
コーチ達の口コミにより多くの大学に一気に広まり、ここからスポーツウェアとキャンパスウェアとしての新たな歴史が始まります。
ちなみに、今ではおしゃれなカレッジプリントやナンバープリントですが、1930年代には体育の授業で生徒に貸していたウェアを管理するために、大学名やナンバーがプリントされるようになったそうです。
3.名作 リバースウィーブの存在
スウェットは洗うと丈が縮むというのが常識だった1930年代、「チャンピオン」が開発したのは縮まないスウェット「リバースウィーブ」です。
本来は縦向きに使う生地を横向きに使うことで縦縮みを防ぐという単純ではありますが画期的な方法。
さらに、両脇にリブ編みを施すことで、横縮みを防ぐことにも成功。この方法で特許を取得し、今も尚、「リバースウィーブ」製法は継承されています。
洗うほどにいい感じの風合いが増すスウェットの生地感は、不朽の名作と呼ばれるに相応しいアイテムです。
年代で変わるダグも人気の理由
古着好きのコレクターが年代を見極める方法として、袖の付け方やプリントの方法、リブの形状やガゼットと呼ばれるネック周りの三角部分などが挙げられますが、作られた年代ごとに色やデザインが変わるタグも、コレクター魂に火をつける要因のひとつです。
4.抜群の着心地
「チャンピオン」のスウェットには新作、古着、リバースウィーブ、メイドインUSA、と選択肢は多々ありますが、「チャンピオン」の醍醐味を味わうならやはり、リバースウィーブがおすすめです。
新作はさらに速乾性などの機能もプラスされた爽やかな着心地。古着は肉厚で丈夫。
脇のリブ素材は、縮むのを防ぐだけでなく、その伸縮性から動きやすく着心地は抜群です。さらに着れば着るほどいい感じの風合いなってくるので、素肌に着てもOKなんです。
5.豊富な人気ショップとのコラボ
「チャンピオン」のスウェットの選択肢の中で、もうひとつ忘れてはいけないのが人気ショップとのコラボアイテムです。
子供服からレディース、メンズに至るまでスウェットに関してはコラボ、または別注という形をとっているショップが非常に多くなっています。
お気に入りのショップそれぞれの個性が光るコラボスウェットは、周りに差をつけられる最強のアイテムです。
大人の定番、チャンピオンを手に入れよう
「チャンピオン」のスウェットは、スポーツウェアやカジュアルウェアといった枠にはもはや収まりきらず、「チャンピオンのスウェット」というカテゴリーがすっかり出来上がっています。
流行のアイテムとは真逆の方向にある、大人の定番というべきアイテムです。
最高に気に入った「チャンピオンのスウェット」を見つけて、一生ものにできるといいですね。