スニーカー好きにとって、ヴィンテージスニーカーは、特別なもの。
簡単には語れない奥が深いアイテムです。「ナイキ」のヴィンテージスニーカーにはコレクターも多く、希少価値が高いものは高額で取引されているものも少なくありません。
今回は、古着シューズの中でも特に注目されている「ナイキ」の人気ヴィンテージスニーカーをご紹介します。
新作モデルも魅力的ですが、ヴィンテージスニーカーの魅力はまた格別ですよ。
ヴィンテージスニーカーとは
「ナイキ」のスニーカーの歴史は、1960年代に「ナイキ」の前身である「ブルーリボンスポーツ(BRS社)」が日本から「アシックス」の前身であるオニツカタイガーのランニングシューズを輸入し、アメリカの販売代理店としてアメリカ国内で販売したのが始まりです。
この時開発された「コルテッツ」をはじめ、「ワッフルトレーナー」、「ブルーイン」など「ナイキ」へと社名を変更した1971年から1980年代のもの(場合によっては1990年代から2000年代のも入ります)がヴィンテージスニーカーと呼ばれています。
人気ヴィンテージスニーカー
復刻版が出されるほど、現在でも人気のシリーズもあり、ここでは、70年代~80年代に作られた人気スニーカーをピックアップしてご紹介していきます。
1972年 CORTEZ(コルテッツ)
1967年に発売された「オニツカタイガー」製の「タイガーコルテッツ」から「ナイキ」のスウッシュマークを搭載した「ナイキコルテッツ」に変更。
ソールが厚く、クッション性に富んだデザインは、当時珍しく、「コルテッツ」の成功をきっかけに「ナイキ」が自社製品を手掛けるようになったと言われています。
後に裁判によって「タイガーコルテッツ」は、「タイガーコルセア」と名前を変更することになります。
1972~73年 BOSTON(ボストン)
ランニングシューズの名作「ボストン」は、その前身である「OBORI」が福岡国際マラソンの拠点となる大濠公園が由来となっていることから、日本人としては大変親近感のあるモデルです。
1973年のボストンマラソンで優勝したジョン・アンダーソン選手が履いていた「OBORI」が、この大会を機に「ボストン73」というネーミングに変更。その後「ニューボストン」というモデルに移行されます。
1972年 BLAZER(ブレーザー)
「ブレーザー」は、ナイキから初めて登場したバスケットシューズ。
現在でもコラボアイテムやヴィンテージ仕様など新作のラインナップは多く人気の高いモデルです。
ネーミングは、NBAのチームで「ナイキ」の地元ポートランドを本拠地とする「トレイルブレイザーズ」に由来します。それまでは、コンバースのシューズがメジャーだったプロバスケットの世界で、最も早く「ナイキ」製品に切り替えたことでも有名です。
1972年 BRUIN(ブルーイン)
「ブルーイン」は、「ブレーザー」と同年代に登場したバスケットボールシューズです。
スタンダードなデザインですが、隠れた名品としてコレクターにも人気があります。
こちらも復刻版が出されるなど、現在ではスケーターをはじめ、ストリートアイテムとしても注目されています。
1976年 WAFFLE TRAINER(ワッフルトレーナー)
ランニングシューズの名作「ワッフルトレーナー」は1976年に誕生して以来、何度も復刻版が登場するなど、人気の高いモデルです。
ワッフルソールを採用し、グリップ力や軽量化にも成功。ランニングだけでなく、タウンユースも想定し、ジーンズに合うカラーを選択。青色×イエローが「ワッフルトレーナー」の代表的なカラーとなっています。
1976年 STING(スティング)
「スティング」は「ナイキ」が初めてアスリートと契約を結んだ記念すべきモデルです。
当時、アメリカの陸上界で最も有名だったスティーブ・プリフォンテーン選手のために作られたスパイクをフラットなシューズにモデルチェンジしたのが、「スティング」。
その後復刻版や「コムデギャルソン」の別注モデルなどもあり、スニーカー好きにはたまらないモデルのひとつです。
1978年 AIR TAILWIND(エアテイルウィンド)
「ナイキ」初のエアソール装着モデルです。世界で初めてミッドソールにエアバッグを搭載し、クッション性を飛躍的に向上させました。ナイキエアの原点というべきモデルです。
ホノルルマラソンに向けて開発されたモデルで、元NASAのエンジニアの技術を採用して作られています。
「ナイキ」より先に「アディダス」に持ち込まれた技術ですが、「アディダス」が採用しなかったという逸話も残っています。
1982年 AIR FORCE 1(エアフォースワン)
「エアフォースワン」は、エアソールを搭載した初めてのバスケットボールシューズです。
アメリカ大統領が搭乗した際の空軍機のコールサインである「エアフォースワン」に由来するネーミング。
NBA選手がこぞって採用し、その後ストリートでも人気のモデルとなりました。シンプルなデザインで現在も定番として愛されています。
番外編 オレンジタグとは?
オレンジタグとは、黒文字のロゴにオレンジ色のスウッシュが描かれたタグのことで、70年代にはこのオレンジタグが使われていました。
オレンジタグは年代によって2種類に分かれており、71年~77年頃まではNIKEのロゴが筆記体で描かれており、これを通称筆記体タグといいます。
また、それ以降はゴシック体でNIKEと表記されており、この違いによって年代を判別することもできます。
同じモデルでもヴィンテージ市場では筆記体のオレンジタグが古い年代ということで、高値で取引されることになります。