古着の世界に足を踏み入れると、なんと奥が深いことに気が付きますよね。
古着の中には、50年以上前のものもあり、そのほとんどが1点もの。歴史が感じられ、新品にはない魅力があります。
古着の中でも比較的手頃な価格で手に入る、初心者にもおすすめのアイテムが「チャンピオン」の「リバースウィーブ」。
その年代を見分けることができる重要な役割を担うタグ。今回は、初心者向けにチャンピオンリバースウィーブタグの見分け方のポイントを分かりやすくご紹介します。
タグをみれば年代が分かる
「チャンピオン」の「リバースウィーブ」は長い歴史の中で、より高い機能性を求めて常に改良が続けられてきました。
そして、その改良に伴い何度もタグの変更を行っていますので、タグを見れば作られた年代が分かるのです。見分けるポイントとしては以下の点に注目して下さい。
見分け方1 ダグデザイン
見分けるうえで一目瞭然なのがタグデザイン。
後程詳しく年代順で紹介していきますが、まずは 覚えておきたい基本のタグをご紹介します。
ランナーズタグ
「リバースウィーブ」が誕生した1938年当初のタグは、左側に走っている人がデザインされた「ランナーズタグ」。
これは50年代まで続きますが、非常に希少なアイテムです。また、その後社名やサイズ表記など大きさや位置が年代ごとに細かく変わっていきます。
単色タグ・トリコタグ
単色のタグから現在のトリコタグまで、カラーも重要なポイント。
チャンピオンの有名なロゴデザインCマークが導入されているか、いないかの分岐点も分かりやすいポイントになります。
見分け方2 縫い付け方
60年代以前のものは通称「タタキタグ」と呼ばれ、タグの四隅が全て縫い付けられています。
その後70年代からは現在と同じように上部のみが縫い付けられた形になっていますので、「タタキタグ」を見つけたら、かなり古いものだと思って下さい。
「タタキタグ」の中でも前期・中期・後期と違いがあるので、この後詳しく紹介していきますね。
「タタキタグ」の次には、現行の物と似た、上部だけを縫い付ける「トリコタグ」「単色タグ」と移行していきます。
タタキタグ(前期)
前期(52年~)にはタグの右上に「MEDIUM」といったサイズ表記がされています。
タタキタグ(中期)
中期(~59年)にはサイズ表記が下に移動。
タタキタグ(後期)
後期の60年~67年になると真ん中あたりに表記されるようになります。
タタキタグ(最終期)
最終期の67年~70年にはS・M・Lのように頭文字だけが大きく表記されるようになります。
見分け方3 使用素材
素材も年代によって変化しています。
コットンの比率と、その他の素材がポイントです。素材の変化により、その時の歴史も垣間見ることができますね。
60年代後半
60年代後半に、アメリカの消防法により綿100%の裏起毛スウェットシャツの販売が禁止に。
そのことから、67年までは全てコットン100%だった「リバースウィーブ」がコットン90%、ポリエステル10%という混紡素材に変わります。
70年代中期から81年
70年代中期から81年まではコットン90%、アクリル10%に。
81年~83年
更に81年~83年にはコットン82%、アクリル12%、レーヨン6%という混紡素材がプラスされました。
80年代後半~90年代
80年代後半から90年代にかけては、コットン89%、アクリル8%、レーヨン3%という配合のものとコットン90%、アクリル10%が混在しています。
見分け方4 タグの色
ヴィンテージのリバースウィーブはとても人気があるため、中々手に入れることができない!という方は、現行モデルを選ぶという手もありますね。
現行モデルのチャンピオンは、タグを見れば、原産国を簡単にチェックすることができます。
また、現在では復刻モデルというものも多数出てきているので、新しいタグを覚えておくとヴィンテージなのかどうかを見分ける際に為になります。
※後程説明する70年代の単色タグ(赤タグ・青タグ)とはまた違うので注意してくださいね。
赤タグ
「赤タグ」と呼ばれる赤の単色でデザインされたタグは、素材から縫製に至るまで全てアメリカ国内で製造された「MADE IN USA」ラインに付けられています。
青タグ
「青タグ」と言われる青色の単色タグは、中国などで生産されていますが、日本人の体型に合うシルエット。こちらも日本人には人気があります。
年代順でタグを見てみよう
上記のポイントを踏まえ、さらに分かりやすいように年代順にタグのデザインをまとめてみました。
年代を追ってタグのデザインの変化を見ていきましょう。
誕生初期
38年から52年までの「ランナーズタグ」と言われるものです。
第2次世界大戦中は生産がストップされていたため、1947年から再開され2度目の特許取得の52年まで使われたデザインです。
大きいサイズのものは「デカランタグ」と呼ばれ非常にレアなアイテム。
50年代のタグ
1952年に2度目の製法特許を取ってからは、タグに「REVERSE WEAVE」の文字が入るようになります。
そして、この時代は「タタキタグ」前期~中期にあたり、サイズ表記の位置が変わってきます。また、「US PAT NO」いわゆる特許を取得していますという表記もされています。
60年代のタグ
「タタキタグ」後期~最終期にあたる60年代には、サイズ表記の大きさや位置も大きく変わりますが、新たにレジスターナンバー、RN26094が表記されるようになります。(↑の写真では見えにくいですが、素材表示の横並びに記載されています。)
こちらのタグは、コットン90%、ポリエステル10%なので1967以降の物だという事が読み取れます。
また、社名が「CHAMPION KNITWEAR CO INC」から「CHAMPION PRODUCTS INC」に変わったのもこの時代です。
70年代のタグ
1970年代からは、「タタキタグ」から、現在と同じタイプの上部だけが縫い付けられたタグに変わります。
この年代の特徴は「単タグ」と言われる単色のタグ。そして大きな違いは現在も使われいる「チャンピオン」のロゴCマークが登場します。
単色のカラーには「赤単」「青単」のほか「緑単」や「金単」「黒単」などがあります。
ポリエステル混のリバースウィーブ当初(70年代前半)では、サイズ別で色分けをされていました。
※このルールは途中で廃止され、同じサイズで違う色のタグという物も存在します。
70年代前半のタグ(アンダーバーあり)
単色タグの中でも、時代によって違いがあります。
分かりやすいのが「アンダーバー」と呼ばれるタグ下部にラインがついている物。これは70年代最初期のデザインです。
アンダーバーに加え、REVERSEWEAVE の横に™(TM)の文字があるものが古いといえます。この部分が後にⓇへと変わっていきます。
70年代後半のタグ
単色タグ
80年代のタグ
80年代に入ると「単タグ」からトリコロールカラーのデザイン、通称「トリコタグ」に変化します。
「トリコタグ」前期(81年~83年)
原産国表示とレジスターナンバーがタグの裏面に表記されています。
「トリコタグ」中期(83年~85年)
ここからは表面に記載されるようなります。
その後90年代にはプリントではなく刺繍で表記されるようになりました。
タグを知ればさらに古着が楽しく!
いかがでしたか?
年代が重複していたり、イレギュラーなものがあったりして分かり辛いものもありますが、おおまかな年代はこれでお分かりいただけたと思います。
手持ちのアイテムがあれば、さっそく年代を調べてみましょう。古着知識があれば、古着ショップに行くのも、今まで以上に楽しくなりますよ。